A: いいえ、くい丸はコンクリートや岩盤には直接打ち込むことはできません。
コンクリートや岩盤には使えない理由
くい丸のような打ち込み式の杭は、先端が土を押し広げ、杭周面の摩擦力によって支持力を得る仕組みです。このプロセスには、地面にある程度の「伸び」または「可塑性(かそせい)」が必要です。
コンクリートや岩盤は非常に硬く、このような「伸び」がほとんどありません。そのため、くい丸を打ち込もうとしても、杭が刺さっていくのではなく、対象物が割れたり欠けたりするだけで、固定することはできません。
※ただし、セメント系の地盤改良材を混ぜて固めた地面の場合、ある程度の伸びが残っていれば、くい丸が施工された実績はあります。(地盤改良の工法や強度によっては施工できない場合もあります。)
コンクリート面に施工したい場合
既存のコンクリート床などにどうしても杭を打ちたい場合は、コア抜き(円筒状にコンクリートをくり抜く作業)を行い、下の土壌を露出させてから、その土壌にくい丸を打ち込む方法が考えられます。
岩盤や非常に大きな岩に対しては、基本的にこの方法は適用できません。
石が混じった地面(玉石混じり土など)への施工
一方で、土の中に石が点在するような「石混じり」の地面であれば、くい丸独自の尖端形状が石をある程度よけながら(スリップしながら)打ち込めるため、施工可能な場合があります。
ただし、石の大きさや密度によっては打ち込めないこともあります。安全で効率的な作業のためには、地盤の状況をよく確認し、最適な基礎工法を選択することが重要です。