日本の伝統的な神事・儀式である「流鏑馬(やぶさめ)」。すさまじい勢いで疾走する馬上から的を射抜く姿は、多くの観客を魅了します。
厳粛な空気が漂う境内で行われるこうした行事では、通常の仮設よりも厳しい条件があります。
- 行事の雰囲気を損なわない景観性
- 多くの方が訪れる行事なので、固定の強度が必要
- 施工に費やす日数や人員に限りがある
- 行事終了後の原状回復
今回は、明治神宮で行われた流鏑馬神事における、くい丸の活用事例をご紹介します。
1. 伝統行事の景観を守る「馬場」の仕切り柵
国内外から多くの観客やカメラマンが訪れる中、安全を確保するために設置されるのが「馬走(馬場)」を保護するロープ柵です。
神宮の境内では、この仕切り柵の基礎としてくい丸をお使いいただいています。丸太の支柱と太い麻縄を用いた風情ある柵ですが、その足元をくい丸が支えています。
2. 丸太とくい丸を繋ぐ専用金具「丸太スタンド」
くい丸と杉丸太を接続するために、専用金具である「丸太スタンド」が採用されています。
この金具を使用することで、地中に打ち込んだくい丸を基礎にして丸太を立てることができます。「見えるところは景観に馴染む木材を使用しつつ、裏はくい丸でしっかりと固定する」という設計です。
3. 撤去後の「穴の目立ちにくさ」が原状回復をスムーズに
くい丸を使わず太い丸太をそのまま直接地面に打ち込んで柵を作ることも可能ですが、硬く踏み固められた境内の地面では非常に困難です。
さらに重要なのが「撤去後」の原状回復です。太い丸太を直接打ち込むと引き抜いた後に大きな穴が残ってしまいますが、くい丸を活用することでその課題を解決できます。丸太の直径が8cmとすると、くい丸(38.1mm)の穴の直径は半分以下になります。目視でもあまり目立たない大きさですが、くい丸撤去後の穴にバラス(小さめの砂利)などを流し込んで原状回復して下さい。地表面はバラスではなく砂を押し固めて埋めておくと自然さがアップします。
| 使用部材 | 特長と採用のメリット |
|---|---|
| くい丸(太さ38.1mm) |
|
4. 境内の様々な仮設物に活用
馬走の柵の基礎としてだけでなく、観客を誘導するテント周りのロープ柵の支柱としても、くい丸をご活用いただいていました。打ち込みやすく抜きやすいという特性から、行事規模に応じたレイアウト変更にも柔軟に対応できます。