大阪の夏の風物詩「なにわ淀川花火大会」。河川敷に約60万人とも言われる大群衆が訪れる大規模イベントでは、来場者の安全確保とスムーズな移動のために、広大なスケールの仮設工事が行われます。
今回は、安全性と施工スピードが厳しく問われる花火大会の現場で、「くい丸」がどのように活用されているかをご紹介します。
1. 打ち上げエリアと観覧席を分ける「ゾーニング用仮囲い」
まずは、立ち入り禁止の打ち上げエリアと観覧エリアを明確に区切るための「仮囲い(フェンス)」の基礎としての活用です。
| 使用サイズ | 根入れ(打ち込み深さ) | 施工のポイント |
|---|---|---|
| くい丸(太さ48.6mm) | 約50〜70cm | 強風や荷重に耐えるため「控え(斜め支柱)」を設置 |
あらかじめ黒いカラーパイプを用意するケースもありますが、設営の合間に現場で塗装される業者様も多くいらっしゃいます。単管パイプは市販のスプレータイプのペンキでもしっかりと塗装することが可能です。
ただし、塗装の際には注意が必要です。単管パイプの表面に施されている「溶融亜鉛めっき」に対して直接油性ペンキを塗ると、めっきに悪影響を及ぼし剥がれの原因になってしまいます。塗装を長持ちさせるためには、必ず専用のプライマー(下塗り剤)で下塗りをしてから本塗りをすることが必須のノウハウとなります。
2. 観客の誘導柵ではなく「強風対策」を見据えた資材選定
大規模イベントにおいて、エリアを仕切るゾーニングは事故防止の要です。
今回の現場に設置された仮囲いは、人が押し寄せて直接もたれかかる「誘導柵」としての役割ではなく、あくまでエリアを区切るためのものです。人がもたれかからない前提であれば細径の太さ31.8mmなどでも対応可能ですが、河川敷のように遮るものがない広大な現場では「強風による倒壊リスク」が最大の懸念事項となります。
そのため、現場では足場管と同じ強固な太さ48.6mmのくい丸が採用されており、風荷重などの安全性を第一に考えた適切な資材選定がなされています。
3. 杭泣かせの「河原の地盤」を攻略する長さのノウハウ
イベント会場となる河川敷のグラウンドや土手は、石がゴロゴロ混ざっているにもかかわらず、地盤の表面自体は柔らかいという、基礎工事においては非常に厄介な「杭泣かせ」の地盤条件が揃っています。
- 打ち込みやすさ: 先端が尖り、鋼管の強度が高い「くい丸」なら、石混じりの地盤でも比較的スムーズに打ち進めることができます。
- 長さ選びのコツ(重要): 表面の土が柔らかい河原では、想定よりも杭の摩擦力(引抜耐力)が効きにくい場合があります。そのため、通常の平地で使う長さよりも「30〜50cm程度長いくい丸」を選んで深く打ち込むことで、風に負けない十分な強度を確保でき安心です。
4. 【番外編】打ち上げ花火の筒の固定にも
淀川花火大会の事例ではありませんが、以前くい丸をご購入いただいた煙火店(花火業者)のお客様から、「打ち上げ花火の筒を並べる単管の枠組みを、地面に固定するためにくい丸を使っている」というお話を伺ったことがあります。
花火の打ち上げという、強固な固定と確実な安全性が求められる場面でもくい丸が信頼されているという、非常に興味深い使われ方です。