ちょうどこの記事を書いている時にも、関東では台風15号による大きな被害がニュースになっています。ちょっと調べてみると「異常気象」とは30〜50年に一度、というような気象現象を指すそうです。しかし、ここのところ毎年・毎シーズンのように異常気象のニュースを目にするようになり、異常が普通、なんて言われ方もしています。

 ここ数年の異常気象のニュースは記憶に新しいところですが、もちろんこれまでにも気象災害は起きてきました。そんな中でくい丸がお役に立てた事例を一つご紹介したいと思います。

平成10年台風4号による那須豪雨災害

 1998年(平成10年)8月に発生した台風4号は、関東圏に大きな被害をもたらしました。特に栃木県の那須町では4日間で1254mmと、異常と言う他ない降雨量を記録し、大きな災害をもたらしたのでした。
 各地で土砂崩れや護岸の崩落が相次ぎ、被害を拡大させないために迅速な応急処置が必要とされたのです。

 その際に、くい丸が立ち入り禁止柵や、通行止めのバリケードの基礎として採用されました。

護岸が崩落しています

河川敷にはペグよりくい丸がお勧め

 大雨で護岸が崩落したため、2次災害を防ぐために進入禁止柵を設置する必要がありました。ところが、河川の近くは石混じりの地面が多いため、杭にとっては作業がしにくい場合でもあります。そのような場合には細いペグのような棒杭よりも、実は少し太くなってもしっかり叩けるくい丸の方が作業しやすいとの評価も頂いております。

応急処置として立ち入り禁止柵が設置されました

 緊急の場合には、杭を持っていったが打ち込めなかった、というのが一番困るシチュエーションですので、やはりくい丸のように品質の安定したものがお役に立てる機会になります。

 鉄筋杭よりも強度に優れるので、目印としてだけではなく、フェンス本来の役割を果たす時にも役立ちます。

お勧めの小技

くい丸の頭部は、ロープを巻き付けやすい形をしています

 緊急の場合ですのでトラロープで進入禁止柵を作られていますが、上の写真のようにくい丸の頭の部分を上手に使って頂くと、手軽にロープ柵を作る事ができ、しかもずり落ちて来にくいのです。ロープフックを使って頂くのが一番ではあるのですが、ちょっとお勧めの小技です。

アスファルトにも直接打ち込めます

ちょうど土嚢で隠れていますが、アスファルトに直接打ち込まれています

 災害対策の時には、道路の通行止め標識を設置するケースもありますが、災害対策時ですので、強い風が吹いている事が多いのは想像に難くありません。そのような中、看板を立てて簡易な土嚢の重石をしただけだとどうなるでしょう?最悪の場合、看板が飛んでしまい、それに気づかず危険エリアに侵入した車が、、といった事も起こりかねません。

 原状復帰は必要になりますが、こうした時にはくい丸で止めて頂くのが効果的です。ハンマーだけで、アスファルトに直接打ち込めますので、数kg〜数十kgの重石に比べ、格段の支持力を発揮します。

アスファルト面の原状復帰

 ここで、アスファルト面にくい丸を打ち込んだ時の原状復帰について簡単にご説明しておきます。

 くい丸は専用ジャッキで抜いて頂くとキレイに抜けます。くい丸は周囲の土を押し固めながら抜けにくくなる杭なので、抜いた後には本当に綺麗な円形の穴が残ります。

 その穴にホームセンターなどでも売っているバラス(比較的小粒の石)を、地上から5〜10cm下まで流し込みます。

 その後、地面すれすれまでアスファルト補修材(前田道路様のマイルドパッチがおすすめです)を埋めて、取扱説明書通りに硬化させれば補修完了です。

くい丸は備蓄資材としてもお役に立ちます

 今回は進入禁止柵としてのご紹介になりましたが、災害時にはテントや防風ネット、仮設住宅の補強、避難所の柵や給水用蛇口の設置など、意外に地面にものを固定する機会が多いものです。小さなハンマーがあれば、しっかりと地面に固定できるくい丸は備蓄資材としても非常にお勧めです。すでに採用事例もございます。水防倉庫に5〜10本でも備蓄を検討されてみてはいかがでしょうか。詳しくはお問い合わせ下さい。

ありがとうございました。