時間と労力を大幅に節約!くい丸設置にお勧めの電動ブレーカー|種類・使い方・メリット・デメリット【店長直伝】

くい丸をDIYで施工したいけど、大ハンマーでの打ち込みは大変そう…そんなあなたに朗報です!電動ブレーカーを使えば、くい丸の打ち込みが驚くほど楽になります。この記事では、電動ブレーカーを使ったくい丸施工の方法を徹底解説。大ハンマーやその他の施工方法との比較、マキタやハイコーキなどの人気メーカーのおすすめ機種、選定のポイント、使い方の手順、メリット・デメリットまで、詳しく説明します。この記事を読めば、最適な電動ブレーカーを選んで、効率よく安全に、そして楽に、くい丸を施工できるようになります。DIY初心者の方でも安心して施工作業に取り組めるよう、よくある質問にもお答えします。

1. くい丸の施工方法

くい丸は様々な施工(打ち込み)方法に対応しています。それぞれの特徴を理解し、設置場所や条件に最適な方法を選択することが重要です。以下に主な施工方法をまとめました。

1.1 大ハンマーを使った施工

最もシンプルな方法が、大ハンマーを用いた施工です。人力でくい丸を打ち込むため、初期費用を抑えることができます。ただし、それなりの労力と時間を要するため、たくさんのくい丸を施工する場合や、硬い地盤への設置には向いていません。

大ハンマーを使用する際は、作業者(ハンマーを振る人)の他に、補助者(くい丸を支える人)の2人一組での作業が基本になります。ハンマーやくい丸に頭部に付着した砂や小石が飛び散ることがあるので、ヘルメットだけでなくゴーグルも装着することをおすすめします。

1.2 電動ブレーカーを使った施工

電動ブレーカーを使用することで、大ハンマーに比べて大幅に労力と時間を削減できます。

・比較的硬い地盤にも対応可能
・100v対応機種が多くDIYでも扱いやすい
・資格や経験がなくても大丈夫
上記の理由から近年人気が高まっています。

ただし、騒音や振動が発生するため、夜間に住宅密集地などでの使用には注意が必要です。当然ながら電源の確保が必要となりますので、農地や法面での作業ではブレーカーに合わせた発電機やポータブル電源も準備して下さい。

後述するように、ブレーカーと専用アダプタ「くい打ち丸(R)電動ブレーカーテーパーキャップ」(+電源)が必要になります。

ちなみに、東海道新幹線の東京-新大阪間に7万本のくい丸が打ち込まれていますが、ほぼ全てが電動ブレーカーでの施工です。

1.3 エアブレーカー、油圧杭打ち機、バックホー

エアブレーカーや油圧杭打ち機は、電動ブレーカーよりもさらに強力なパワーでくい丸を施工できます。硬い地盤や大量のくい丸設置に最適です。ただし、コンプレッサーや油圧ユニットなどが必要となるため、プロ向けの方法と言えるでしょう。また、バックホーなどの重機を用いた施工は、大量のくい丸設置に非常に効率的で、長尺品の施工にも適しています。注意点として、バックホーのバケットでくい丸を押し込む施工方法は用途外使用に該当する場合があります。詳しくはお近くの労働基準監督署にご確認下さい。

以下に、それぞれの施工方法の特徴を比較した表を掲載します。

施工方法 メリット デメリット 適用地盤 費用
大ハンマー シンプルで初期費用が安い、意外にパワーもある 労力と時間がかかる、設置精度が作業者に依存 軟弱地盤 低い
電動ブレーカー 大ハンマーより効率的、DIYでも扱いやすい、100v電源でOK(※機種による) 騒音・振動、電源が必要 比較的硬い地盤 中程度
エアブレーカー/油圧杭打ち機 硬い地盤にも対応、強力なパワー 設備が必要、初期費用が高い 硬い地盤 レンタルなら中程度
バックホー 大量設置や長尺品の施工が効率的、 真っ直ぐ打てるかはオペレータの腕次第、資格が必要、バケットでの押し込みは基本的に不可 様々 レンタルなら中程度

2. 電動ブレーカーの種類と対応状況

くい丸を打ち込むための電動ブレーカーには、基本的には大型の電動ブレーカーになります。

くい丸専用の打ち込みアダプター「くい打ち丸(R)電動ブレーカーテーパーキャップ」が30mm六角シャンクに対応していますので、本体もそれに合わせる必要があります。

2.1 大型電動ブレーカー

電動ブレーカーは、主にコンクリートの破砕に使うための機械で「ハツリ機」とも呼ばれます。主なメーカーとしては、マキタとHiKOKI(ハイコーキ)が挙げられます。30mm六角シャンク対応機種はそれぞれ複数ラインアップされていますので、「3.1.3 店長おすすめ機種」の項でおすすめ機種を記載しています。

2.2 ハンマードリルタイプや片手サイズのブレーカーは使えません

よくお問い合わせを頂くマキタHM0830などの片手サイズの電動ブレーカーや、ハンマードリルには対応しておりません。
【非対応の理由】
・パワーが弱い:一番細いくい丸をアスファルトに打ち込むことができない。48.6mmなどは土の地面でも本当にわずかずつしか入っていかない
・シャンク(軸)が折れやすい:シャンク(17mm六角)と、くい丸をはめ込むカップのサイズ差が大きく、テコの原理でシャンクが折れやすい。

2.3 ヒルティやボッシュには一部過去機種のみ対応

こちらもよくお問い合わせを頂くのですが、ヒルティはTE-SやTE-EXシャンクが、ボッシュはSDSシャンク(SDS-MaxやSDS plus)が多く、くい丸専用のアダプター(30mm六角シャンク)との互換性がありません。

一部過去の機種では30mm六角シャンクの機種があるようですので、詳しくは当店までご確認下さい。

2.4 超大型機種には特注品で対応

HikokiのH90など、超大型のハツリ機は「30mm六角シャンク」ではありますが、シャンクの形状がストレート形状でくい丸専用のアダプターと異なっており、取り付ける事ができません。なお、H90の現行機種(H 90SG)は29mm専用シャンクとなっております。

30mmストレート六角、29mmシャンクともに特注品としてご提案できますので、お気軽にお問い合わせ下さい。

2.5 バッテリー駆動の機種には使える?

マキタHM004GZといった強力な打撃力を謳うバッテリータイプの電動ハンマーも登場していますが、29mm専用シャンクのみ対応となっており、くい打ち丸の30mm六角シャンクには未対応です。

こちらも特注品としてご提案できますので、お気軽にお問い合わせください。

3. 電動ブレーカーおすすめ機種

この章では、くい丸施工に最適な電動ブレーカーの選び方と、おすすめの機種を紹介します。機種選定のポイントを理解し、あなたの作業環境にぴったりの電動ブレーカーを見つけてください。

3.1 電動ブレーカー選定のポイント

電動ブレーカーを選ぶ際には、いくつかの重要なポイントがあります。以下の要素を考慮することで、作業効率や安全性、そしてコストパフォーマンスを最大限に高めることができます。

3.1.1 消費電力

特に発電機やポータブル電源をお使いの場合は消費電力も確認して下さい。例えば、1000w(10A)対応のポータブル電源では、多くのくい丸対応電動ブレーカー(1400〜1500w)を安定して動かすことができません。実際の打ち込み時には数百ワット程度で駆動しますが、モーターの起動電流を考慮すると、少なくともモーターの出力に見合った電源をご準備下さい。

壁のコンセントから電源を取る場合も、延長コードも10A以下のものは使用しないようにして下さい。発火や故障の原因になります。

3.1.2 振動対策とくい丸の施工

電動ブレーカーは、使用時に強い振動が発生します。長時間の作業では、手に負担がかかり、疲労や腱鞘炎などのリスクも高まります。そのため、近年はAVR(マキタ)といった振動抑制機能を搭載した機種が増えています。これは低負荷時にはモーター回転数を落として振動を抑制する機能も含まれますが、くい丸を打ち込む時には、特に打ち始めの段階で物足りなさを感じる場合があります。(もちろん機械本体をくい丸にグッと押しつけるとフルパワーに近づいていきます)

HikokiのPH-65Aなどは常に一定のモーター回転で打撃してくれますので、店長はどちらかと言えばこちらの方が好みです。

それでも振動に対する体への影響をご心配なさる方もいらっしゃると思いますが、くい丸の施工は、1本数十秒から数分で施工し、次の場所に移動してくい丸を立ててブレーカーをはめ込み、また数十秒から数分の施工を繰り返しますので、時間あたりでみると意外と振動が手に伝わっている時間は長くないケースが多いと思います。もちろんその事が直ちに安全性を保証するとは言えませんが、チェーンソーで大木を切るような場合とは少し状況が異なるということは押さえておいても良いポイントだと考えられます。

3.1.3 店長おすすめ機種

数ある電動ブレーカーの中から、現場での使用経験に基づき、特におすすめの2機種を紹介します。どちらもパワーと使いやすさを兼ね備えた、信頼性の高い製品です。

3.1.3.1 マキタHM1317C

マキタHM1317Cは、強力な打撃力と耐久性を備えたプロ仕様の電動ハンマーです。くい丸の施工にも十分なパワーを発揮し、効率的な作業を実現します。また、防振構造を採用しており、長時間の作業でも疲れにくいのが特徴です。

3.1.3.2 ハイコーキ PH-65A

ハイコーキPH-65Aは、軽量ながらもパワフルな打撃力を持ち、取り回しの良さが魅力の電動ハンマーです。

3.1.4 マキタ・ハイコーキの現行対応機種一覧

メーカー 機種 対応電源 メリット
マキタ HM1317C 100v 効率的な作業、疲労軽減。プラスチックケースはキャスターが付いていて移動が楽。
HM1511 100v/200v 200vタイプも選べる。打撃エネルギー向上を謳っている。
HM1500 100v アクションシリンダー方式で強力なパワー。店長経験では扱いやすく良い機種。
8600S 100v
ハイコーキ PH-65A 100v パワーは十分。打撃力が一定なので、意外にくい丸の打ち込みには向いている。スチールケースがコンパクトなのも嬉しいポイント。
H65SB3 100v 低振動システムUVP搭載。ハイコーキの同クラスでは主力機種

4. 【よくある質問】

電動ブレーカーの使い方

ここでは、くい丸(R)を電動ブレーカーで安全かつ効率的に施工する方法を詳しく解説します。手順に従って作業することで、くい丸(R)をしっかりと地面に固定し、様々な用途で安全に活用できます。

4.1 準備するもの

電動ブレーカーでくい丸(R)を施工するために必要なものをリストアップしました。事前に準備をしっかり行い、スムーズな作業を心がけましょう。

アイテム 詳細
電動ブレーカー本体 マキタ、ハイコーキなどのメーカーから販売されている30mm六角シャンクタイプの電動ブレーカー。
くい打ち丸(R)電動ブレーカーテーパーキャップ チゼルの代わりにブレーカーに取り付けるタイプの専用キャップ。これを使用することで、くい丸(R)へのダメージを軽減し、スムーズな施工が可能になります。
その他お勧め小物 軍手、安全メガネ、水平器、メジャー、油性ペン、マーキングスプレーなど

4.2 設置手順

以下の手順に従って、くい丸(R)を正しく設置しましょう。

4.2.1 設置前の確認事項

  • 設置場所の地面の状態を確認し、埋設管や埋設物がないか確認する。
    • 特に電線、水道管、ガス管などが埋設されていないか入念な確認が必要。
  • くい丸(R)のサイズが設置目的に合っているか確認する。
  • 電動ブレーカーが正常に動作するか確認する。
  • 電動ブレーカーテーパーキャップにヒビや欠けがないか確認する.
    • 金槌などで軽く叩いた時の音の響きで内部的な損傷が分かる場合もあります。
  • 周辺の安全を確認し、必要に応じて安全措置を講じる。

4.2.2 キャップの電動ブレーカーへの取付

  1. くい打ち丸(R)電動ブレーカーテーパーキャップを電動ブレーカー本体に差し込み、差し込み口付近のツメを回転させて抜け止めにする。
  2. 手で数回前後させ、スムーズに動くか、抜け止めが動作しているかを確認する。

4.2.3 電動ブレーカーによるくい丸打込み

  1. くい打ちする場所にスプレーなどでマーキングする。
  2. 補助者がマーキング位置にくい丸を立てる
  3. 作業者が、くい丸に電動ブレーカーを被せる.
    1. このとき、くい丸を少し斜めにして上げると被せやすい。
  4. 水平器で垂直(鉛直)を確認する。
  5. スイッチを入れて電動ブレーカーを始動し、くい丸を地面に打ち込む。施工中は、電動ブレーカーをしっかりと握っておく。
  6. できるだけ真っ直ぐ打ち込むために、30cm程度打ち込むまではこまめに電動ブレーカーを停止し、傾きを修正してから打ち込む作業を繰り返す.
    1. ある程度打ってから真っ直ぐに修正はかなり難しい。
  7. 所定の深さまで打ち込んだら、電動ブレーカーを停止する。
  8. 打ち込み過ぎに注意しましょう。必要に応じて、メジャーなどで深さを確認しながら作業を進める.
    1. 事前に、くい丸に油性ペンで目標位置をマーキングしておくと良い

5. 電動ブレーカー使用のメリット・デメリット

電動ブレーカーを使うことで、くい丸設置作業は劇的に楽になります。しかし、メリットだけでなくデメリットも存在します。導入を検討する際には、メリット・デメリットの両方を理解した上で判断することが重要です。

5.1 メリット

電動ブレーカーを使用する主なメリットは以下の通りです。

メリット 詳細
作業時間の大幅短縮

大ハンマーでの手作業と比較して、電動ブレーカーは圧倒的に早くくい丸を打ち込むことができます。特に複数本のくい丸を設置する場合、時間短縮効果は非常に大きくなります。数人で何時間もかかっていた作業が、1人で短時間で完了するケースも珍しくありません。

身体への負担軽減

大ハンマーでの施工は、腕や腰への負担が大きく、長時間の作業は肉体的に非常に辛いものです。電動ブレーカーを使用することで、これらの負担を大幅に軽減し、作業者の疲労を最小限に抑えることができます。特に、女性や高齢の作業者にとって、このメリットは大きなものです。

作業効率の向上

作業時間短縮と身体への負担軽減により、全体的な作業効率が向上します。限られた時間の中でより多くの作業をこなせるようになり、人件費削減にも繋がります。また、作業者の疲労軽減は、安全性の向上にも貢献します。

5.2 デメリット

電動ブレーカーを使用するデメリットは以下の通りです。メリットだけでなく、デメリットも理解した上で使用を検討しましょう。

デメリット 詳細
機材の重量

電動ブレーカーは、大ハンマーと比べて重量があるため、持ち運びや操作に多少の苦労が伴います。特に、足場の悪い場所や傾斜地での作業は注意が必要です。対応機種は機材重量が10kgを超えるものが中心で、作業者の体力によっては(特に長いくい丸の場合)負担となる可能性があります。

騒音

電動ブレーカーは、作動時に大きな騒音を発します。大ハンマーで上手に叩いた時は鈍い音が出るのに対し、電動ブレーカーなどの機械打ちでは、動作音に加えて高い金属打撃音も混じります。特に住宅地や夜間の使用は、近隣住民への配慮が必要となります。防音対策を講じる、作業時間を調整するなど、騒音によるトラブルを避けるための工夫が重要です。

6. 【よくある質問】電動ブレーカーは購入?それともレンタル?

電動ブレーカーは、くい丸の対応機種の多くは10万円以上とそれなりに高価です。プロの業者さんは、(本来の機械の目的である)ハツリ作業など他の使い道もありますので購入がお得になるケースが多いと思います。

しかし、専門業者ではない方やDIYでお使いの場合などはレンタルを選ばれるケースが増えています。

6.1 レンタルには2種類

6.1.1 くい丸専門店クイックスでレンタル

当店では、打ち込み機材のレンタルサービスをご用意しています。電動ブレーカー本体と専用キャップがセットになっていますので、機材の組み合わせで悩む必要がなく、あとは電源さえ用意できれば作業が始められます。また、往復送料が込みでコンビニ持ち込みによる返却もできるので手間がかかりません。

6.2.1 地元のレンタル屋さんでレンタル

くい丸の打ち込みに対応した電動ブレーカーは、建設機械を扱うレンタル屋さんの多くで借りることができます。レンタル屋さんによっては、1日単位でのレンタルも可能(基本料が必要な場合もある)なので、レンタル期間によっては便利な場合もあります。ただし、専用アダプターはレンタルできないことがほとんどなので、当店からご購入頂くなどしてお客様で準備する必要があります。また、レンタル屋さんによっては個人でのレンタルが出来ない場合などもありますので、詳しくはそれぞれのレンタル屋さんにお問い合わせ下さい。(当店にお問い合わせ頂いてもお調べいたしかねます)

6.2.1 クイックスとレンタル屋さんのメリットデメリット

レンタル先 メリット デメリット
クイックス ・ブレーカーとくい丸専用アダプタがセット。
・往復送料込み
・コンビニ持ち込みで返却可能
・土日祝のお届けにも対応
・レンタル期間は3日間と7日間の2種類(延長は7日間単位)
・エリアによってはお届けに数日かかる
レンタル屋さん ・必要なときにすぐ借りることができる
・1日単位でレンタルできることも
・希望の機種を選べる場合がある
・発電機など周辺機器も同時にレンタルできる
・くい丸専用アダプタは別途購入する必要あり
・個人様は利用できない場合もあり
・土日は営業していないお店も多い

※コンビニ持ち込みはクロネコヤマトと提携している店舗に限ります。
※レンタル屋さんによって、レンタル期間や提供しているサービスが異なります。詳しくはそれぞれのお店に直接お問い合わせ下さい。

6. まとめ

くい丸の施工方法には、大ハンマー、電動ブレーカー、エアブレーカー、油圧杭打ち機、バックホーなど様々な方法がありますが、手軽さと施工の効率性から電動ブレーカーの活用がおすすめです。電動ブレーカーにも様々な種類があり、マキタやハイコーキといったメーカーから販売されている電動ブレーカーに対応しています。特に発電機やポータブル電源利用時は電流を考慮しましょう。本体を購入せず、レンタルで必要な期間だけ使うことも出来ますので使用目的に応じて検討しましょう。

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