
1. はじめに:使えなくなった「くい丸」、どう処分するのが正解?
DIYでの庭造りや、畑の苗植え、あるいはイベントの設営など、あらゆる場面でそのタフさを発揮する「くい丸」。しかし、どれほど頑丈なくい丸であっても、いつかはその役目を終える時がやってきます。
- 「長年の使用で曲がってしまい、真っ直ぐ打ち込めなくなった」
- 「下穴あけに使い倒して、頭部が潰れてしまった」
- 「イベントが完了し、大量のくい丸が余ってしまった」
そんな時、意外と頭を悩ませるのが「後片付け(処分)」です。木杭やイボ竹であれば、粗大ゴミとして処分場へ運ぶのが普通ですが、実はくい丸には「捨て方に悩まなくていい」という、他の杭にはない大きなメリットがあります。
この記事では、使えなくなったくい丸を損せず、かつスムーズに手放すための「賢い処分術」を、プロも実践する売却のコツと併せて詳しく解説します。
2. 自治体で「捨てる」 vs 金属リサイクル業者に「売る」
まず知っておいていただきたいのは、くい丸を「ゴミ」として扱うか「資源」として扱うかで、あなたの財布にかかる負担が180度変わるという事実です。
2.1 自治体の処分場(クリーンセンター)に持ち込む場合
多くのDIYユーザーが最初に思い浮かべるのが、お住まいの地域の自治体が運営する処分場への持ち込みでしょう。しかし、この方法は注意が必要です。
- 処理費用の支払いが発生: 自治体の処分では、多くの場合「重量」に応じた手数料がかかります。鉄製品は重いため、本数が多いと意外な費用負担になることも珍しくありません。
- 受け入れ拒否のリスク: 自治体によっては、建築資材や農業資材を「産業廃棄物」とみなし、個人であっても引き取りを拒否されるケースが増えています。
2.2 スクラップ業者(金属リサイクル業者)に持ち込む場合
一方で、地域の「スクラップ屋さん」や「金属リサイクル業者」に持ち込むと、状況は一変します。
- 買取代金を受け取れる: くい丸は「高品質な鉄」でできているため、ゴミではなく「スクラップ(鉄くず)」として買い取ってもらえます。
- 「重さ」が利益になる: 自治体では負担だった「重さ」が、こちらではそのまま「価値」に直結します。捨てればマイナス、売ればプラス。この差は非常に大きいです。
| 比較項目 | 自治体の処分場 | スクラップ業者 |
|---|---|---|
| 費用の流れ | お金を払う | お金をもらう |
| コスト目安 | 数百円〜数千円(手数料) | 数十円/kg(買取) |
| 中身の扱い | 廃棄物(ゴミ) | 資源(リサイクル) |
※処分場での扱いや費用は自治体により異なります。
※少量持ち込みの場合、買取ではなく無料引き取りとなる場合もあります。
※鉄スクラップとして必ず売却できることを保証するものではありません。
3. なぜ「くい丸」はスクラップ屋さんに喜ばれるのか?
「単管杭でもくい丸でもスクラップ(鉄くず)にするなら同じでは?」と思われるかもしれませんが、実は金属リサイクルの現場において、くい丸は非常に「扱いやすい優等生」として知られています。
3.1 単管パイプ杭の「捨て方」でよくあるトラブル
一般的な単管パイプを杭として使った場合、引き取りを拒否されたり、買取価格が下がったりすることがあります。状態によっては処分費用を請求されることも。その最大の原因は、パイプの中に入り込んだ「土」です。業者は鉄を溶かして再利用するため、中に土が詰まっていると正確な重さが測れないだけでなく、再生の工程(電炉での溶解)でも不純物となってしまいます。
3.2 くい丸がリサイクル材料として優秀な理由
それに対して「くい丸」は、尖端と頭部が完全に溶接された両端密閉構造です。打ち込む際に内部に泥や石が入り込むことがありませんので、そのままの重量で「高品質な鉄スクラップ」として査定されます。
さらに、くい丸は国産のJIS規格パイプ(STK-400又はSTK-500 JIS G 3444)を使用しています。素性がはっきりした高品質な素材であることは、買取の際に有利になる条件です。たとえ農業の現場で頭部が潰れるまで使い倒したとしても、その「鉄としての価値」は変わらないのです。
4. プロも実践!より有利に「売却」するためのポイント
少しの工夫で、よりスムーズに買い取ってもらうためのコツを紹介します。
- 泥を落として評価アップ: ワイヤーブラシ等で付着した泥を落としておきましょう。土が付いたままだと、マイナス査定の要因になります。塗装やメッキまでは剥がす必要はありません。
-
「重量」で自分の資産を把握する:
- 48.6mm × 1100L:約3.3kg
- 48.6mm × 1500L:約4.4kg
- 過剰な梱包は避ける: スクラップとして売る時は「バラの状態」が最も好まれます。紐で数本ずつ縛る程度にしておくと、業者がクレーンやマグネットで荷下ろししやすいため喜ばれます。

くい丸の本体には高品質な国産JISパイプを採用しています。
5. 売るならいつ?季節による「相場の波」を攻略
スクラップ鉄の買取価格は、国際的な鉄相場に連動して変動します。時期や地域によっても大きく変わりますが、2024〜2025年の相場では、おおよそ1kgあたり20〜40円程度が目安です。
- 狙い目は「春〜夏(3月〜8月頃)」: 建設・解体現場が動き出し、製造業が活発になるこの時期は、鉄の需要が高まり買取価格が上昇しやすい傾向にあります。
- 冬は「ストック(保管)」の時期: 雪や寒さで作業が減る冬場は、需要が落ち着き相場が下がりやすくなります。急ぎでなければ、冬の間は保管しておき、春を待って手放すのがスマートな戦略です。
最新の相場を把握したい場合は「日本鉄リサイクル工業会」のサイトなどで、地域別の相場を確認することができます。ただし、持ち込む業者によって買取価格は変わりますので注意して下さい。
6. 【初心者向け】信頼できるリサイクル業者の探し方
「スクラップ屋さん(鉄くず屋さん)に個人が行ってもいいの?」と不安な方向けのステップです。
- お近くの業者さんをリストアップ: Googleで「○○(地域名) スクラップ 個人」や「○○(地域名) 鉄くず 持ち込み」などで検索。
- 許認可を必ずチェック: 検索された業者さんが、金属くず商や古物商の許可を保有していることを確認しましょう。無許可業者に持ち込むと、高額な処分費を要求されるなどのトラブルの恐れがあります。
- Googleマップの口コミを活用: 「個人にも丁寧」「少量の持ち込みでも親切だった」という感想がある業者さんを選びましょう。
- 電話で事前に確認: 「○mの単管パイプ(杭)が◯本ほどあるのですが、個人での持ち込みは可能ですか?中に土は入っていません。」と聞けばOKです。