くい丸に関わっていると、多くの現場にお邪魔する機会があります。昔撮った写真を見直していると、こんな写真が出てきました。

バックホー(ユンボ、パワーショベル)のバケットで、くい丸を押し込んでいらっしゃいます。
当店のお客様からも、「バックホーのバケットで押し込んでもよいですか?」とご相談いただくことがあります。その際にお伝えしていることがあります。
目前の作業効率はもちろん大切ですが、法令遵守を徹底している現場が結局は一番早く工事が終わるというお話も耳にします。
その作業、法令上の注意が必要です
バックホーは便利な機械ですが、どのような作業にも自由に使えるわけではありません。車両系建設機械には、それぞれ本来の用途があり、主たる用途以外の使い方は法令で制限されています。
関係する条文として、労働安全衛生規則 第164条があります。
労働安全衛生規則 第百六十四条(主たる用途以外の使用の制限)
事業者は、車両系建設機械を、パワー・ショベルによる荷のつり上げ、クラムシェルによる労働者の昇降等当該車両系建設機械の主たる用途以外の用途に使用してはならない。
出典:e-Gov法令検索「労働安全衛生規則」
バケットを取り付けたバックホーは、一般に掘削用の車両系建設機械として使われます。そのバケットで杭を押し込む作業は、通常の掘削作業とは異なるため、主たる用途以外の使用に該当する可能性があります。
もちろん、現場ごとの作業条件や使用する機械、アタッチメント、作業方法によって判断が必要になる場合があります。実際の施工では、元請会社、現場の安全管理者、関係機関などに確認したうえで、適切な方法を選んでください。
「できる」ことと「してよい」ことは別です
現場では、機械の力を使えば作業自体はできてしまうことがあります。しかし、作業が物理的にできることと、法令上・安全上適切であることは同じではありません。
バックホーのバケットでくい丸を押し込む作業では、杭の頭部が滑る、杭が傾く、作業者が機械や杭に接触する、周囲の人に危険が及ぶ、といったリスクも考えられます。また、アームの構造上真っ直ぐ押し込むことができないので、リース資材の滅失によるコスト発生も気になるところです。
特に、杭を人が手で支えながらバケットで押すような作業は、手元作業者が危険な範囲に入りやすくなります。作業効率だけでなく、安全性を優先して施工方法を選ぶことが大切です。
くい丸の施工には適切な方法を
くい丸は、ハンマー、電動ブレーカー、専用アダプターなどを使って施工できます。施工本数が少ない場合は手打ち、本数が多い場合や太いくい丸を施工する場合は、電動ブレーカーを使うと作業しやすくなります。
クイックスでは、くい丸の施工に使えるくい打ち機・アダプターレンタルもご用意しています。機械を購入するほどではない現場や、短期間だけ使用したい場合にも便利です。
現場条件に合わせて、適切な道具と施工方法を選ぶことで、安全性と作業効率を両立しやすくなります。
作業は安全に、適法に
安全意識の高い日本の工事現場では、法令順守と安全作業が日々徹底されています。くい丸の施工でも、「その方法で作業できるか」だけでなく、「その方法で作業してよいか」「周囲に危険はないか」を確認することが大切です。
労働災害は、現場で働く皆さまの努力と、業界・行政による安全対策の積み重ねによって減少してきました。これからも工事現場がより安全で効率的なものになるよう、くい丸専門店としても正確な情報提供に努めてまいります。
今回もお読みいただきありがとうございました。
本数が少ない時はハンマーでの打ち込みを選ぶ方が多いです。最適なハンマー選びでスムーズに作業を進めて下さい。
