たまに「打ち込んだ後のくい丸に横穴をあけたいが、できるか?」というお問い合わせを頂きます。ちょうど機会があったので、動画を撮影してみました。

だいたい40秒くらいで穴があきます

 日立工機の鉄工ドリルに、ホームセンターで買ってきたタケノコドリルを取り付けてテストしてみました。最初は若干刃先が滑り気味でしたが、いったん穴があいてしまうと、どんどん穴が大きくなっていくのがお分かり頂けるかと思います。

タケノコドリルとは

 タケノコドリルは別名(というか正式名称)をステップドリルと言い、このドリル1本で様々な大きさの穴があけられる便利な商品です。太陽光発電の現場でも、くい丸に貫通穴をあけたい場合に使われているお客様もいらっしゃいます。

最初は細いドリルで下穴をあけるとより作業が楽です

 動画でも分かるとおり、穴のあけはじめはどうしても刃先が滑ってしまいます。これを避けるためにも、タケノコドリルを使う前に、先に細いドリル(2〜3mm)で下穴をあけてしまうことをお勧めします。こうしておけば刃先が安定して穴開けも効率的に進められると思います。

普通の電動ドリルでも穴開けできるか?

 今回はパワーのある鉄工ドリルを使いましたが、一般の電動ドライバーやインパクトドライバーでも加工自体は可能かと思います。ただし、以下の点にご注意下さい。

1)両手でしっかりドライバーを保持する
  鉄工ドリルと違ってハンドルが付いていないので、しっかり両手で保持しないと機会が暴れる可能性があります。また、こうしたドライバーは回転数が早いため、刃先が非常に滑りやすいです。

2)下穴を作ることをお勧めします
  1で述べた理由から、いきなりタケノコドリルで穴開けをすることはお勧めできません。下穴をあけることを前提に工程を考えて頂ければと思います。

3)施工時間がかかる場合があります
  鉄工ドリルに比べてパワー(トルク)に劣る一般向けの電動ドライバーでは、穴開けに要する時間が余分にかかる可能性があります。

あけた穴はしっかり密閉して下さい

 穴あけに関するお問い合わせを頂いた際に必ずお伝えしていることがあります。すぐに抜いてしまうのでない限り、あけた穴はコーキングなどで密閉処理をしておいて下さい。というのも、くい丸は尖端も溶接により密閉されているので、横にあけた穴から水が入ってしまうと出口がないことになります。
 くい丸の内部に入った水は、内側からサビを進行させる原因となり非常に危険です。必ず適切な密閉処理を行って下さい。

現場での穴開け加工はご自身の責任で行って下さい。

 いずれにせよ、こうした後加工はお客様ご自身の責任で行って下さい。本記事に書かれた事を守って頂いたとしても、100%安全な作業にはなり得ません。それだけに安全に注意して行って頂く事はもちろんのこと、施工後の密閉処理につきましてもお客様にて適切に行って下さい。