
自宅の庭にバッティングゲージを設置したいと思ったとき、最初に決めたいのは「使うたびに組み立てる簡易型」か、「いつでも練習できる常設タイプ」かです。安さだけで選ぶと、毎回の設置や収納が負担になったり、反対に必要以上の工事になったりすることがあります。
この記事では、ご家庭に合う方式の選び方から、単管パイプとくい丸を使った常設タイプの設計・費用・組み立て・点検までを順番に解説します。
置くだけタイプと常設タイプ、どちらを選ぶ?
うさぎママ
店長
置くだけタイプは、フレームを広げたり組み立てたりして使い、練習後には畳んで片付けられるタイプです。手軽でメリットもあるタイプですが、大型になると毎回の組立・片付けは想像以上に手間がかかることもあります。組立が大変で思ったほど使わなかったというお声もあります。
常設タイプは最初に組み立てる大変さはありますが、「練習したいときにすぐ使える」のがメリットです。

| 比較項目 | 簡易型(置くだけタイプ) | 常設タイプ(単管フレーム) |
|---|---|---|
| 選び方 | 都度、組み立て・固定・収納できる人 | いつでも練習できる状態にしておきたい人 |
| 固定方法 | ペグ、重りなどで毎回固定します。しっかりと固定できないので、常設には適しません。 | 地中の基礎で支柱を支持し、必要に応じて控えや筋交いを加えます。 |
| 強風時の対応 | 天候が悪化する前に使用を中止し、ネットやフレームを畳んで収納します。大型品は一人では作業が難しいこともあります。 | 強風前にネットを外して風を受ける面積を減らし、通過後は基礎・クランプ・フレームを点検します。 |
コンクリート基礎の「数日」を、くい丸なら「数分」に
モグラ親方
常設タイプで最も技術と準備が必要なのが、支柱を立てる基礎工事です。コンクリート基礎は自由度は高いものの、掘削・混練・打設・養生といった工程があり、施工後すぐにフレームを組めません。
くい丸なら、杭1本の打ち込み作業そのものはわずか数分が目安です。また、養生を待たずに次の組立工程へ進むことができるので、1〜2日で完成させることができます。
※打ち込み作業の時間は、地盤の状態や杭長、根入れ長で変わります。地盤が硬い場合などは電動杭打機での作業をおすすめします。
常設タイプで重要になる支柱の基礎
バッティングゲージは見た目以上に風の力を受けます。とくに目の細かいネットを使ったり、打ち込み用の的を取り付けると、フレームへかかる力がさらに大きくなります。お子様の安全を守り、近隣トラブルを避けるためにも、しっかりとした基礎が必要です。
くい丸は細い杭ながら、1m当たり数百キロ以上という優れた支持力を発揮し(※)、東海道新幹線でも採用されています。
※支持力(抜けにくさ)は地盤の状態、くい丸の太さ、根入れ長(打ち込み深さ)により変わります。
作業ラクラク、足元スッキリなさや管工法

バッティングゲージは高さ2.5m〜3m程度で計画されるケースが多いようです。その場合、例えば2.5m+70cm(打ち込み深さ) = 3.2mのくい丸を脚立に乗って打ち込むのは非常にハードルの高い作業になります。
そこで、クイックスでは基礎と支柱を分離施工する「さや管工法」をおすすめしています。これは、基礎として打ち込んだ太さ42.7mmのくい丸に、ホームセンターで販売されている太さ48.6mmの単管パイプをかぶせ、同芯バンドで固定する方法です。施工がしやすいだけでなく、見た目にもスッキリするので、足を引っ掛けたりするリスクも抑えることができます。
実際の製作手順
うさぎママ
店長

材料を買う前に、設置場所、完成寸法、ネットの規格、支柱の位置を決めます。先に図面と部品表を作ると、買い忘れや余分な材料を減らせます。
自宅の庭に設置できるか確認する
- 使える寸法:ネットの"たるみ"も考慮し、隣家や塀、建物からは少なくとも1mは離しましょう。打球を打ち込む面はさらに離すと安心です。
- 屋根:雨よけのためにシートで天井を覆うなどすると、建築物とみなされ、確認申請が必要になる可能性があります。
- 地下埋設物:電線、ガス管、水道管、排水管などがないことを確認します。
- 打球の方向:道路、隣家、人が通る場所へ打球を打ち込まないレイアウトにしましょう。
- 周辺への配慮:打球音、照明の方向にも配慮しましょう。
- 施工と点検の動線:脚立作業、ネットの着脱、強風前の対応ができる空間を残します。
バッティングゲージのサイズの決め方
- 幅:バッティングセンターのブースの中は2.5m程度のところもあります。
- 奥行き:長いほうが打球線がよく見えますが、ボールを取りに行くのが大変なことも。
- 高さ:2.5m〜3m程度が一般的です。高くするほどしっかりとした補強が必要になります。
単管パイプをフレームにする理由

強度が高い48.6mm単管パイプは、ホームセンターなどで入手しやすく、直交クランプや自在クランプなどの部材も豊富です。変形地であっても柔軟に設計できるのも魅力の一つです。
店長
参考図面と3Dモデル
参考図面
幅3m×奥行き4m×高さ3mの常設タイプの参考図面をご用意しました。
部品表を含む完全版PDFは、クイックス公式LINEを友だち追加後、トーク画面で「野球ネット図面」とメッセージ送信すると受け取れます。

参考3Dモデル
図面では分かりにくい補強の取り方などを確認しやすい3Dモデルもご用意しています。
バッティングゲージ基礎キットの商品ページでご確認下さい。
用意する材料と工具
- 基礎:バッティングゲージ基礎キット
- フレーム:48.6mm単管パイプ、直交クランプ、自在クランプ、控え・筋交い。四隅など直角に固定する箇所と、斜め補強の箇所を分けます。
- ネット:バッティングセンターでは4cm角程度の目合い(目の大きさ)が使われることがあります。耐候性などにも配慮しましょう。
- 工具・保護具:電動杭打ち機または大ハンマー、水平器、スパナ、脚立、ヘルメット、手袋、保護メガネ。工具の取扱説明書を読み、安定した足場を確保します。
製作の流れ
1. くい丸を打ち込んで支柱を立てる
- 図面どおりに位置を出し、地下埋設物がないことを確認します。スプレーなどでマーキングすると作業がしやすい。
- 水平器で垂直を確かめながら、くい丸を打ち込みます。真っ直ぐ打ち込むには、最初の30cmを丁寧に打ち進めることが大切です。
- 同芯バンドと、(必要な場合には)静音ゴムキャップを取り付け、48.6mm単管パイプをかぶせます。
- 同芯バンドで支柱の高さと位置を合わせ、まず仮固定します。
クイックスでは、電動杭打機レンタルもご用意しています。基礎キットと同時注文でお得な価格でご利用いただけます。
2. 単管パイプでフレームを組む
- 四隅:直角に固定する箇所には直交クランプを使います。
- 補強:自在クランプで控えや筋交いを入れ、フレームの揺れを抑えます。
- 締め付け:全体の位置と垂直・水平を確認してから本締めし、必要に応じて手工具で締め付けを確認します。
- 高所作業:長いパイプを一人で持ち上げず、安定した脚立や作業台を使って複数人で作業します。
モグラ親方
3. 防球ネットを取り付ける
- 固定材:屋外使用に適した耐候性のあるロープや固定材を使います。
- 背面:打球を受ける面は張りすぎず、衝撃を吸収できる適度なたるみを持たせます。
- フレーム:ボールが単管パイプへ直接当たる箇所には、クッション材などの対策を検討します。
- 仕上げ:ネットの隙間、固定材の端、つまずきやすい箇所、ボールが外へ抜ける可能性を一周して確認します。
バッティングゲージ自作の費用目安
費用はサイズ、支柱本数、ネットの仕様、補強、工具の有無で変わります。以下は、幅3m×奥行き3m×高さ3mのケージを自作した過去のお客さま事例です。

- サイズ:幅3m×奥行き3m×高さ3m
- 施工期間:週末2日
- 作業人数:3名
- 当時の概算費用:約4万円〜6万円
店長
※価格は事例当時の参考値です。送料、工具、補強材、消耗品、地盤条件による追加材料なども異なるため、現在の購入総額を示すものではありません。
専門業者の見積もりと比べる場合は、材料代だけでなく、設計、施工、基礎、ネット、運搬、保証、撤去まで同じ範囲を含んでいるかを確認しましょう。

単管DIYが初めてのお父さまが、仲間と一緒にお子さまの練習環境を形にした事例です。施工中の様子や、完成までの工夫を写真付きで紹介しています。
安全に使い続けるための点検とFAQ
使用前と強風時の確認
- 使用前:ネットの破れ・外れ、固定材の劣化、クランプの緩み、パイプの変形、足元の障害物を確認します。
- 定期点検:月に一度を目安に、基礎の傾き、地面の緩み、サビ、筋交い、全クランプを確認します。
- 強風前:使用を中止し、ネットを外して風を受ける面積を減らします。的やシートも外します。
- 強風後:再使用する前に、基礎、支柱、クランプ、ネットを一周して点検します。
- 積雪前:雪がネットに積もる地域では、降雪前にネットを外します。
よくある質問
支柱は4本と6本のどちらを選べばいいですか?
くい丸は90cm・120cm・150cmのどれを選べばいいですか?
石が多い庭や硬い地盤でも施工できますか?
基礎キットに単管パイプと防球ネットは含まれますか?
強風や台風のときはどうすればいいですか?
毎回の組み立てが負担なら、基礎を先に整えて「練習したいときにすぐ使える」環境をつくる価値があります。くい丸は、その常設タイプで時間のかかる基礎工程を短くし、単管パイプのフレームへつなぐための選択肢です。
うさぎママ
店長
英語の batting cage に由来する「バッティングケージ」と、一般的に使われる「バッティングゲージ」は、この記事では同じ設備を指します。検索される方の多い「バッティングゲージ」の表記を中心に使用しています。

