Q: 土中でのくい丸のサビ(腐食)はどのくらい進みますか?
A: ベースとなる鋼管の土中での腐食速度は、10年平均で「約0.13mm(0.013mm/年)」が目安です(ステンレス協会調査)。
ただし、くい丸には強力な「溶融亜鉛めっき」が施されているため、実際の現場ではさらに長期間にわたりサビの進行を抑えることが期待できます。
店長
1. 土中での腐食速度の基準(ベースデータ)
土中での鋼管の腐食については、貴重な実証データとして一般社団法人ステンレス協会様が実施した10年間に及ぶ土壌腐食実験の報告書があります。この中で、比較対象として「炭素鋼管」の腐食速度が測定されています。
報告書によると、10年間の平均腐食速度は「0.013mm/年」。つまり10年間で0.13mmの肉厚が失われる計算になります。例えば、太さ48.6mm(肉厚2.4mm)のパイプであれば、10年後には鉄の厚みが減り、直径が約48.34mmになるイメージです。
2. 溶融亜鉛めっきが施された『くい丸』の場合
ここで重要なのは、上記のデータが「めっきがされていない鋼管」のものと推定される点です。
くい丸には、強力な溶融亜鉛めっきが施されています。地中に打ち込まれたくい丸は、まず表面の亜鉛が自ら溶け出して鉄を守る「犠牲防食作用」が働きます。この亜鉛層が長年かけて完全に消失して、初めて「鉄本体の腐食(0.013mm/年)」のフェーズに入ります。
したがって、実際の現場においては、基準データよりもさらにゆっくりと劣化が進むと評価できます。
3. 土壌環境による差(現場で考慮すべきこと)
土壌の性質(pH値、水分量、通気性、塩分濃度など)によって、サビの進行は劇的に変化します。報告書でも、最小と最大の腐食速度には12倍近い開きがあるとされています。水はけが悪く常に湿っている粘土質の土壌や、酸性が強い土壌ではサビの進行が早まる傾向にあるため、一律の耐用年数を明言することはできず、あくまで「目安」として扱う必要があります。
4. 安全性を担保する「構造計算」の考え方
腐食がどの程度進むと危険と見なすかは、設置する工作物によって異なります。公共工事や常設のフェンスなどでは、この劣化をあらかじめ設計に組み込む「腐食しろ」という考え方を用います。
「10年でこれだけ肉厚が減るだろう」という予測値を現在の肉厚から差し引き、その「数年後の細くなった状態」でも強風や荷重に耐えられるかを構造計算で確認することで、精度の高い安全性の検討が可能になります。
くい丸専門店クイックスでは、仮設工事だけでなく、フェンス基礎や太陽光パネルなど常設に近い設置物の構造計算サポート実績もございます。エビデンスに基づいた提案を必要とされているお客さまは、ぜひ当店にご相談ください。