【実例紹介】くい丸はどれくらい錆びる?海沿い現場での数年間の経過観察
こんにちは、くい丸専門店クイックスです。
くい丸に関するお問い合わせの中でも、特に多いご質問がこちら:
「くい丸ってどれくらい錆びるのですか?」
このご質問については、環境による影響が大きいため明確にお答えする事が難しいのですが、、今回は特に錆びやすい海沿いの現場で使用されたくい丸の経過事例をご紹介いたします。
■ 現場の環境:日本海沿岸、潮風と波しぶきが吹きつける場所
この現場は、西日本の日本海側、海に面した立地です。強風の日には、海水が霧状になって飛び、くい丸に直接かかるような非常に過酷な環境と言えます。
この場所では、転落防止用のロープ柵としてくい丸をご活用いただいており、地面は石混じりの地盤。一般的な木杭や樹脂杭では対応が難しく、くい丸が採用されました。
打ち込み深さについては明確な記録はないものの、1.5mのくい丸を1/3程度(約0.5m)打ち込んだか、もしくは2mのくい丸を半分程度打ち込んでいると推測されます。
■ 錆の進行状況:頭部からの発錆とその理由
実際の使用状況を確認すると、最も錆が進んでいたのはくい丸の頭部でした。
この理由は、施工時にハンマーなどで直接叩くことにより、出荷時に施されていた防錆メッキが一部剥がれてしまうためです。くい丸の頭部には、非常に錆びに強い塗るメッキ材が塗布されていますが、さすがにハンマーの衝撃には耐えられず鉄の生地が露出してしまいます。そこからサビが拡がっていったものと考えられます。
■ 防錆のポイント:打ち込んだあとの補修(タッチアップ)が大切
くい丸は打ち込み時の衝撃により頭部の防錆層が損なわれる可能性があります。
そこで当店では、打設後にローバルなどの塗るメッキ材などを使って塗装のタッチアップ(補修)を行うことを強くおすすめしております。
これにより、頭部からの錆の進行を大幅に抑えることが可能です。
■ 鉄パイプの品質が防錆性能を左右する
頭部と異なり、くい丸本体のストレート部分(鉄パイプ部分)には錆の進行がほとんど見られませんでした。(一部、頭部から流れてきたもらいサビは見られます)
これは、くい丸が国産の高品質な鉄パイプを使用しており、しっかりと亜鉛メッキ(もしくは同等処理)が施されている事と、もちろん雨により塩が流れやすい事も作用していると思われます。
市場には、見た目が銀色でも実際には非常に薄いメッキ膜の製品なども出回っているようです。くい丸は、打ち込み強度・防錆性能・耐久性をバランス良く備えた製品として、多くの現場で選ばれています。
■ 錆の進行にかかった年数:約3年間
写真が撮影されたのは2010年ですが、この現場は記録によると工事開始が2007年でしたので、くい丸の設置から約3年間前後が経過したものと考えられます。
この現場では、潮風・海水が直接かかる厳しい環境でも、くい丸に穴があいたり折れてしまったりといった深刻な腐食には至っていませんでした。
これを考慮すれば、内陸部や標準的な環境では、より長く安心してお使いいただけると考えられます。
■ まとめ:くい丸は「錆びにくい」が、環境に応じた対策を
- くい丸の頭部は、施工時の衝撃により錆びやすくなる
- ストレート部は国産鉄パイプの高品質メッキが効果を発揮していた
- 沿岸部のような厳しい環境では、施工後のタッチアップ塗装がおすすめ
- 過酷な環境で数年経過しても機能的な問題は発生せず、耐久性を証明
「どれくらい錆びるのか?」というご不安をお持ちの方も、環境や用途に応じた工夫次第で、長く安心してご使用いただけます。
より詳細な実験記事や対策ガイドも、今後ブログにて公開予定ですので、ぜひチェックしてみてください。
最後までお読みいただきありがとうございました。
【免責事項】
・本事例はあくまで一例であり、同等の性能を保証するものではありません。