
台風や強風・突風に備えるうえで、ビニールハウスの被覆フィルムを押さえる「マイカ線(ハウスバンド)」の固定状態は、最も大切な点検項目のひとつです。
今回ご紹介するのは、地面に打ち込んだ「くい丸」を基礎にして、マイカ線をしっかり留める工夫をされた農家様の施工事例です。どのような資材を使い、どう施工したのかを3つの手順に分けて分かりやすくご紹介します。
うさぎママ
店長
1. 施工事例の概要
| 用途 | ビニールハウスのマイカ線(ハウスバンド)を留めるアンカー基礎 |
|---|---|
| 使用した製品 | くい丸(直径48.6mm・長さ1.1m) |
| 使用した副資材 | 番線(被覆された針金)、マイカ線 |
| 設置場所 | ハウスの四隅、および長手方向(桁側)の中間部分 |
| 施工方法 | 打ち込んだくい丸の間に番線を渡し、その番線に各マイカ線を結び留める |
※製品寸法や杭の本数は、本現場での使用例です。設置条件や圃場の地盤条件に応じて適切な寸法をお選びください。
2. 課題:マイカ線を留める頑丈な固定先を地面側に設けたい
マイカ線(ハウスバンド)は、ビニールハウスの屋根をまたぐように掛け、被覆フィルムのバタつきや飛散を強力に抑える重要資材です。
今回の現場では、強風への備えとしてマイカ線の固定方法を抜本的に見直しました。採用されたのが、ハウスの両側にくい丸を打ち込み、その間に渡した「番線」をマイカ線の固定先にする工法です。
マイカ線を1本ずつ別々の杭へ結ぶのではなく、ハウスの長手方向にくい丸を点々と打ち込み、そこに1本の太い番線をガッチリ張ることで、屋根から下ろした多数のマイカ線を順番に手際よく取り付けられるようにしています。
3. 解決方法:くい丸と番線を組み合わせる3ステップ施工
実際の施工は、以下のシンプルな3つの手順で行われました。
- ハウスの四隅と中間にくい丸を打ち込む
- 桁側(長手方向)に番線をピシッと張る
- 番線にマイカ線を結び付ける
手順1:くい丸を地面に打ち込む
はじめに、ビニールハウスの四隅へくい丸を打ち込みます。ハウスの長さに応じて、長手方向の中間部分にも一定間隔で杭を追加します。
この現場で使用したくい丸は、標準的な「直径48.6mm・長さ1.1m」です。杭頭が地表近くに残るところ(または作業しやすい高さ)まで打ち込まれています。
💡 地盤と風圧に応じた杭選びのポイント
同じ圃場内でも土質や締まり具合(N値)が異なることがあります。地盤が柔らかい場所や大型のハウス、風当たりが強い地域では、長さ1.3mや1.5mのくい丸を選んで深く打ち込むことで、さらに引き抜き抵抗力が高まります。
手順2:くい丸の間に番線を渡して張る

続いて、打ち込んだくい丸の頭部に番線(被覆針金等)を取り付け、ハウスの長手方向へ張っていきます。くい丸の頭部は絞り加工がしてあるので、特別な金具がなくても番線がズレにくいのが意外に便利です。
番線に大きなたるみが出ないように強く張り、四隅の杭だけでなく、中間に打ち込んだくい丸にもターンするようにしっかりと結び付けます。これにより、多数のマイカ線を留められる「連続した強固な固定ライン」が完成します。
手順3:番線にマイカ線を結び付ける

最後に、屋根をまたいで下ろしてきたマイカ線の端を、手順2で張った番線へ結び付けます。反対側の側面にもまったく同じように「くい丸+番線」を設置し、適度なテンションをかけてマイカ線を固定すれば施工完了です。
4. 施工後のメリット:撤去やハウスの移設も容易
施工後は、ハウスの両側に張った番線へスムーズに複数のマイカ線を取り付けられる快適な環境が整いました。本工法には次のような優れたメリットがあります。
- 高耐風性: 引抜き強度(支持力)に優れるくい丸が、強風によるハウスバンドの上引っ張り荷重を足元からがっちり受け止める。
- 作業効率向上: 1本1本杭を打つ必要がなく、張った番線にマイカ線を好きな位置で結べるため施工が早い。
- コンクリ不要・移設可能: 大がかりなコンクリート基礎を作らないためコストを抑えられ、連作障害防止などでハウスを移動・撤去する際も、くい丸を引き抜いて再利用できる。
5. まとめ:台風シーズン前の点検・補修に
今回の事例では、くい丸と番線を組み合わせることで、マイカ線を確実に留める強固なアンカーラインを構築しました。
マイカ線の固定方法を補強したい農家様や、将来のハウス移動を考慮して引き抜ける杭での施工を検討されている方に非常に参考になる施工法です。
なお、強風対策では固定方法の見直しだけでなく、ハウス全体の日常点検も重要です。農林水産省でも、被覆材のバタつきや破れ、留め金具の緩み、骨組みの錆や腐食を事前点検するよう注意喚起を行っています。(参照:農林水産省「ハウスの点検・補修等を確実に実施し、豪雨や台風襲来に備えましょう」)
💡 ビニールハウス用くい丸のご相談はこちら
ハウスの間口や奥行き、現地の地盤条件(固さ)に合わせて、最適な「くい丸」の太さ・長さ・必要本数をご提案いたします。大量注文のご相談や御見積もりも承っておりますので、くい丸専門店クイックスへお気軽にお問い合わせください。