くい丸の打ち込み方(道具編)
くい丸の打ち込み方
■打ち込み方法
くい丸は様々な現場でお使い頂けますので、使用目的に合わせた打ち込み方をお選び下さい。
基本的には手打ち(ハンマー)で打ち込むことができますが、地面が固い場合や沢山施工する場合には機械打ちが便利です。
■セットハンマー、両口ハンマー
細径(Φ27.2〜38.1)のくい丸であれば、片手で持ちやすいセットハンマーや両口ハンマーで打ち込むことができます。
くい丸ならアスファルトのような固い地面にも打ち込むことができるため、多くのお客様がこの方法で作業されています。扱いが簡単で老若男女を問わず作業できるのが大きなメリットです。
一人で作業(片手でハンマーを持って、もう片方の手でくい丸を支える)ができるので施工の効率も良く、DIYユーザーにも好評です。(手打ちハンドルの利用を推奨)
さすがに釘を打つ金槌ではパワーが不足するため、ヘッドが1〜1.5kgほどのハンマーをお選び下さい。
■大ハンマー
太径(Φ42.7〜60.5)のくい丸を打ち込むには、プロの工事現場で使用される大ハンマーが適しています。特に2.7kg程度の大ハンマーは、扱いやすさと打ち込み力のバランスが良いため、多くの現場で使用されています。
地面が固い場合にはさらに重い3.5kgのハンマーを使うことで、より強力な打ち込みが可能ですが、体力に自信のある方限定と言えるかもしれません。
くい丸が自立するまでは片手で少しずつ打ち込み、自立してきたら両手で本格的に打ち込むのが一般的な作業手順です。慣れないうちはハンマーが的(くい丸の頭)に当たらないこともありますので、力任せに振りかぶるのではなく、ハンマーをリズムよく回すように振るのがコツです。
■ゴムハンマー、カケヤ(掛矢)
静かな作業環境が必要な場合、ゴムハンマーや木製のカケヤを使用する方もいらっしゃいます。しかし、くい丸の頭部は鉄でできているので、ゴムハンマーやカケヤのヘッドが傷んでしまうことがあります。作業環境や使用頻度に応じて道具をお選び下さい。
■電動ブレーカー
電動ブレーカーを使用した打ち込み方法は、手軽さと作業効率の両方で多くのユーザーにおすすめです。対応機種の多くが100V電源に対応しているのでDIY用途でも使用しやすく、特別な技術や資格は必要ありません。
打撃振動が細かいため、まっすぐ打ち込みやすいのもこの方法の特長です。
アスファルトやN値20程度の固い地面にも打ち込んだ実績があり、多くのお客様にお勧めできます。
1.5mを超える長さのくい丸を打ち込む際は、脚立や作業台を使用することをお勧めします。電動ブレーカーの機材重量は約20kgあるため、特に高い場所での作業には注意が必要です。
発電機を使用する場合は、2kVA以上の出力のものを推奨します。1300W前後のモーターを搭載している電動ブレーカーでは、1.5kVAクラスの発電機では起動時に電力が不足する場合があるため、事前に十分な出力を確認してください。
■エアブレーカー(ハツリ機)
エアブレーカーは圧搾空気の力を利用してくい丸を強力に打ち込む工具で、広範囲に大量の杭打ちが必要な場合に適しています。大型のコンプレッサーが必要ですが、ホースが軽いので仮囲い工事など移動の多い現場で選ばれます。逆にDIYや少量の施工には不向きです。
20番と呼ばれる大きさのエアブレーカーが使われることが多く、ほとんどの建設機械のレンタル屋さんで簡単に借りられます。くい丸では少し小さな15番などに対応した専用アダプターもご用意しています。
機種 | 対応アダプタ | メーカー | 型番 |
---|---|---|---|
20番 | くい打ち丸エアブレーカーキャップ(30Φ) | 東空 | TCB-200など |
10番、15番 | くい打ち丸エアブレーカーキャップ(26Φ) | 東空 | TCB-130B |
■油圧杭打ち機
丸善工業製の油圧杭打ち機は、プロの現場でも人気があります。本体の他にポンプユニットが必要ですが、キャスター付きで移動が簡単なので太陽光発電の現場などでも使い勝手が良いです。一撃のパワーが非常に強力で、石が混じった地面にも対応可能です。購入すると数十万円することもありますが、レンタルも可能で、油圧式の単管打ち機は建設現場などで広く利用されています。
■バックホー(ユンボ)
くい丸はバックホー(ユンボ)の先に油圧破砕機を取り付けて杭打ちすることも可能です。破砕機はレンタルが可能で、アダプターを使用することで手軽に杭打ちが行えます。最も強力な方法ですが、操作には資格が必要で、現場までの回送の手間がかかることがあるため、少量の作業には電動ブレーカーが推奨されます。