タイトルを書いてみて、なんだか村上春樹の小説のようだと思いましたが、気付かないふりをして続けたいと思います。くい丸についてお問い合わせが多い物の1つに、「くい丸はどのくらい錆びますか」というものがあります。

 これに関しては、実験結果を交えて別の記事でご紹介したいと思うのですが、ここでは鉄がとても錆びやすい環境、つまり海に近い場所でどのようにサビが進むのかを実例で見て頂きたいと思います。

使われているのは海のすぐそば

 現場は西日本の日本海側なんですが、海に近いと言うより海のすぐそば、という方が正しいですね。風の強い日には海水がくい丸に直接かかるような場所です。なんと過酷な。

  工事中の進入防止柵としてお使い頂いています。こうした石混じりの地面だと、普通の杭では打ち込みにくいので、くい丸がお役に立ちますね。恐らくですが、1.5mのくい丸を2/3ほど打ち込まれているのではないでしょうか(2mを1/2程度の可能性もあります)。

サビの様子をご覧下さい

頭部から発生したサビが流れ落ちて広がっています
ストレート部は思ったより錆びにくいです

 写真を見ると、頭部からサビが進んでいる事がよく分かります。これは、くい丸は頭を叩いて打ち込むため、出荷時に施してあるさび止め処理が取れてしまうことが原因だと考えられます。

どんなさび止め処理も、ここまで叩くと取れてしまいます(写真の黄色のペンキはお客様にて塗装、別現場にて撮影)

 ですので、くい丸を打ち込んだ後は高性能な錆止め剤で塗装を補修(タッチアップ)して頂く事をお勧めしています。この錆止め剤はかなり優秀ですよ。

高品質な鉄パイプならでは

 少し話が逸れましたが、頭部から発生したサビは、雨などで流れて更に広がっていきます。反対に、くい丸の本体部分(ストレート部分)は思ったよりもサビが広がりません。これは高品質なメッキを施した国産鉄パイプを本体に使用しているくい丸ならではかも知れません。
 実際のところ、見た目は銀色になっているけど、実はほとんどさび止め効果が期待できないようなものも出回っているようです。

サビの進行に要した時間

 さて、ではこの程度のサビが進行するのにどのくらいの時間がかかったのでしょうか。正確な打設時期については分からないのですが、この地区の工事そのものが2007年に開始されており、撮影したのが2010年。つまり、長く見積もって3年間と考えて良いと思います。

 海のそばでなければ、サビの進行はもう少しマイルドなものになると予想できますね。いずれにせよ、目的に合わせて上手に使いこなして頂きたいところです。



村上春樹と書いたら久しぶりに読みたくなってきました。今日は本屋さんに寄ってから帰ろうと思います。
ありがとうございました。



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