街を歩いていると、工事現場はほぼ全てが背の高い鉄板で囲われていますね。あれを「仮囲い」とか「万能板」と呼びます。最近は鉄だけでなく、FRP製のものなども出てきて業界の進化を感じます。現場の工事予定表もデジタル表示のものが増えてきましたね。工事業界もどんどんIT化が進んでいっていますので、またその辺りも折に触れご紹介できればと思っています。

 この仮囲いですが、ご存じない方のために、裏側でどうなっているか少しご説明します。板同士は連結できるようになっているのですが、それだけで自立するわけではありません。それに、立てただけだと風が吹いたら飛んでいってしまいますよね。

 そこで、仮囲いの裏では単管でフレームを組んで、そのフレームに仮囲いの板を引っかけるようにして留めているわけです。ちょうど透明(スケルトン)の仮囲いの写真があったので、こちらを見て頂けるとわかりやすいと思います。

透明な仮囲い
仮囲いの裏側では、このように単管で枠が作られています

 お分かり頂けましたでしょうか?

 この仮囲いでくい丸がどのように使われいるかというと、ズバリ「フレームを地面に留める基礎」です。

普段は目に付きにくいところで、現場の安全を支えています。

 従来はこうした仮囲いの杭として「単管杭」、つまり切りっぱなしの鉄パイプが使われることが殆どだったのですが、強風により仮囲いが転倒するなどの事故が起きていました。工事現場の安全性を高めるための工夫の一環として、くい丸が仮囲いの基礎として使われるようになってきています。

 くい丸は単管杭に比べて2.5倍以上の支持力がありますので、こうした仮囲いの基礎として使って頂くと、安全対策として有効なものだと言えます。

 また、写真のような砂利混じりの地面でも、くい丸なら石に引っかかる事なく打ち込めますので、生産性が非常に高くなるのも嬉しいポイントです。